現場では日々さまざまな道具が活躍しており、みなさまもこだわりの詰まった道具をお持ちなのではないでしょうか?今回はそのような数ある道具の中の一つから、点検道具でお馴染みの打診棒について、現場の声を交えながらご紹介していきたいと思います!
はじめに
みなさまは打診棒にどのようなイメージをお持ちでしょうか?あまり使う機会がない方からすると一見地味な道具に思われがちですが、安全で高品質な建物を維持する上でとても重要なアイテムなんです。そこで、今回はなかなか注目される機会の少ない打診棒や、打診検査について詳しくみていきましょう!
見えない問題を見つけだす「打診棒」とは?
打診棒という名前を聞いたことがあっても、実際には使用したことがない方からすれば、何のために使う道具なのか知らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方のためにも、まずは打診棒がどのような道具なのかをご紹介させていただきたいと思います!
まず、打診棒とは壁やタイルなどの浮きや剥離など、肉眼では確認できない建物の不備を、叩いた音を聞き分ける事で判断する際に使われる専用の棒です。打診棒にはさまざまなサイズや形状があり、使い方やこだわりは人それぞれ。
一見すると単純な構造をしている打診棒ですが、実はさまざまな工夫が凝らされています。例えば先端の球と棒の間にベアリングを入れ、鉄製の球が回転するようになっている物があります。これは壁などを撫でるように転がす際、球の摩耗が均一になるようにするための工夫で、打診棒自体の寿命を延ばす効果を狙っています。
他にも、先端の球がかぼちゃ型や、にんにく型・プラスチック製のものなど、用途や場所に応じて使い分けられるように多種多様な打診棒がメーカーからは発売されています。これを使い分けて安全な建物を作り上げていくためにも、現場担当者はそれぞれの違いを理解しておく必要があると言えますね。
現場担当者10人に聞いてみた!知られざる打診棒の実力
ここまで聞いて、実際に他の現場では打診棒をどのように使っているのか気になってきましたよね。そこで今回は、カシワバラの協力会社の現場担当者10名に打診棒や打診検査について気になる質問をさせていただき、特にためになるご回答をいただけた2つの質問にフォーカスします!普段はなかなか聞くことのないお話、必見ですよ!
質問1.「使用する打診棒にこだわりはありますか?」に対する回答まとめ
■調査箇所によって打診棒を使い分ける
まず大前提として、みなさんお使いの打診本が一本ではないのだとか。というのも、高い位置や狭い場所では伸縮タイプの打診棒ロング、コンクリートなどの下地が厚い壁の調査ではハンマータイプの打診棒など、シチュエーションによって使い分けている方が多いということが分かりました。
■使いやすいように自分で加工する
複数持つだけではなく、先が回転するタイプは音が拾いにくいから使わないという方や、精度が上がるという理由から先端を円錐形状に加工して使用するという強いこだわりを持つ方も。高いクオリティを確保するための労力を惜しまない。そんな職人魂を感じますね!
■土牛産業の打診棒がおすすめ
そして、多くの方が打診棒の大手メーカーである土牛産業の伸縮型打診棒を使用されているということも分かりました。同社からはさまざまなタイプの打診棒が販売されており、最近では、タイル目によくなじむようにデザインされたスプリングネック型打診棒が発売されています。気になられた方は土牛産業のホームページをチェックしてみてください!
質問2.打診検査の注意点はなんですか?
■作業前の打ち合わせが大切
一見普通のことのような回答ですが、これが基本にして一番重要かもしれません。もちろん、どのような業務においても事前の打ち合わせは必要ですが、打診検査はひと目見ただけでは検査済みかどうか分からないという側面がある上に、建物の強度を左右する責任が伴う作業です。そのため、万が一にも検査漏れが起こらないよう、打ち合わせを綿密に行うことをチームとして徹底されていらっしゃるのだと言います。
■検査は少人数がベスト
打診検査を行う際には少人数で行う事が大切という意見も多く上がりました。少人数で打診検査行う理由については、大人数で分担してしまうと、方法の違いから調査結果にバラつきが出てしまうことや、調査者に一定のスキルや経験が必要とされるため必然的に人数が絞られるということが挙げられるようです。このようなことからも、打診検査がいかに重要な作業であるかということがわかりますね!
■打診検査は「ココ」に注意
打診音を聞き分けることによって検査をしていくという作業は、豊富な経験が為せる技です。そのため、あまり打診検査に慣れていない方は特に注意すべき箇所があるのだとか。その具体的な箇所としては、インターフォン、照明回り、スロップシンク回りの埋設管などで、設備周辺の凹凸を浮きと勘違いしてしまう人が多いのだそうです。他にも、手すりの根元や外壁面サッシの四隅等はクラックや浮きの劣化が多く、漏水にもつながる箇所のため同様に注意が必要なのだとか。なるほど、これから打診検査デビューをされる方には必見の情報ですね!
まとめ
今回は打診棒についてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?なかなかスポットライトの当たる機会のない打診棒ですが、安全や品質を維持する上で非常に重要なアイテムであるということを再認識できました。
今使っている打診棒が自分に適しているのか?打診検査の方法は合っているのか?といった疑問に対して、本記事がお役に立てれば幸いです。
今回の基礎編も踏まえて、実際の打診検査についてご説明する実践編も記事になっております。
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