コンベックスとメジャーは違う!?今さら聞けない測定器具の世界

建設現場ではモノを測定する機会が多くあり、その都度正確な測定が必要とされます。正確な測定ができないと大きな事故に繋がることも。そこで!今回は身近な測定器具であるコンベックスに迫ります。

はじめに

みなさまは普段さまざまな測定器具を建設現場で使われているかと思いますが、中でも一番使う機会の多い測定器具といえば、コンベックスメジャー(以降コンベックス)ではないでしょうか?コンベックスは測量や図面を作成する際など、測定を必要とするあらゆる場面で欠かせない道具ですよね。ですが、あまりにも当たり前のアイテムであるが故に、コンベックスについて詳しく知らないという人もいらっしゃるかと思います。ということで、今回は知っているようで知らないコンベックスについてご紹介します。

コンベックスって何?

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突然ですが、みなさまはコンベックスという言葉を聞いた時にどんな形のモノを思い浮かべますか?以下の画像の2つの内から1つを選んでみてください。

どちらがコンベックスかわかりましたか?正解は①の画像のモノです。どうでしょう、中には一括りに“ただのメジャー”ではないかと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。このように、一口にメジャーとは言っても、さまざまなタイプがあるんです。

①のコンベックスとは、測定目盛りのテープ部分が薄い金属でできたメジャーのことを指し、主に建築や工作などの場面で使われています。コンベックスは主にステンレスやスチールなどの金属製でできており、測定時にテープがぴたっと自立し、寸法の長い物や高さのある物のサイズをより正確に測ることが可能。また、測定目盛りの先端部分には金属のツメがついていて、測定物に引っ掛けることで角を合わせることができます。

そして、②のモノが洋裁メジャーです。一般的にメジャーと言った際には、こちらのことを指します。コンベックスとの違いはテープ部分が布製やビニール製などの柔らかい素材でできている点にあり、測定したい対象物のラインに沿わせて長さを測れることから、身体測定や被服の寸法取りなど、主に身体のサイズを測る場面でよく使われます。

つまり、コンベックスと洋裁メジャーの違いは「測定テープの素材」と「使用用途」にあります。簡単にまとめると、コンベックスは「金属製、建築・工作用」で、洋裁メジャーは「ビニール製、身体や被服の採寸用」というわけです。

コンベックスの選び方

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便利で使用頻度の多いコンベックスですが、実際に購入となるとさまざまタイプや特徴のものがあり、どれを買えばいいのか迷ってしまいがち。
ということで、ここからはコンベックス購入の際に注目すべき3つのポイントをご紹介します。

1.テープの材質や幅で選ぶ

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まず1つ目に注目すべき点は、テープの材質や幅。スチール又はステンレス製のモノが多いコンベックスですが、​​おすすめはスチール製。というのも、スチール製は安価で耐久性に優れており、折れ曲がりに強いという特長を持っているだけではなく、水やサビにも強いので、屋外の作業でも安心して使用することができます。一方で、水場での作業が多い方には、サビに強い特性を持っているステンレス製もアリだと思います!

そして、テープの幅に関しては、幅が広いほど自重によって折れ曲がらずまっすぐ立つという特徴があります。一般的なもので6mm~27mmの間の製品が販売されていますが、もちろん幅が広くなればコンベックスの重量も増すので、無理に広い幅のモノを購入するのではなく、作業にあったサイズ感を意識して購入することをおすすめします。

2.使用用途で選ぶ

引用元: http://www.muratec-kds.jp/q_a/q_a_convex.html

コンベックスのテープ部分には表面加工がされている製品が多く、使用する現場によって加工の違うものを選ぶことが重要です。表面加工の名前は各メーカーによって違いますが、ほとんどの加工が、耐水性や耐摩耗性を目的としています。わかりやすい例として、屋外の水場で作業をする機会の多い方が、耐水加工の施された商品を選ぶという工夫をするだけで、ベストなコンディションで長く使い続けることができます。

3.JIS規格のコンベックスを選ぶ

コンベックスにはJIS規格があります。幅は4mm~30mm、長さは0.5m~10mまでのものがJIS規格ではコンベックスであると定められています。100円ショップなどでは、JIS規格ではないコンベックスが販売されていますが、JIS1級規格を取得したコンベックスは精度に関して信頼がおけるので、選ぶ際にはJIS規格品なのかどうかもしっかりチェックしておきましょう。

● JIS1級の長さと許容差
(テープ目盛りのみ、ツメは含まず。ツメを含む場合はさらに±0.2mm)
長さ  /  許容差

0~1m / ±0.3mm
0~2m / ±0.4mm
0~3m / ±0.5mm
0~4m / ±0.6mm
0~5m / ±0.7mm
0~6m / ±0.8mm
0~7m / ±0.9mm
0~8m / ±1.0mm
0~9m / ±1.1mm
0~10m / ±1.2mm

最後に注意点も

利便性に優れたコンベックスですが、事故防止の観点で注意が必要です!
金属製であることの多いコンベックスは、電気設備等が設置してある場所での工事の際に感電してしまう恐れがあります。そのため、シーンに応じて非電導タイプのコンベックスなども販売されていますので、使い分けて採用するなどの工夫が必要ですね。

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そして、もう一つ注意しなければならないのが落下事故です。高所作業での使用機会も多いコンベックスは落下への注意も必要。コンベックスは小さなアイテムですが、高所から落としてしまうと大きな事故を引き起こしかねません。ですので、コンベックス使用の際には、落下防止コードや背ベルトストラップなどの落下防止機能をしっかりと活用するようにしましょう。また、コンベックス専用ホルダーや、コンベックス用のポケットが付いた腰袋などを使用することも落下予防に効果的です。腰袋については、以前にご紹介させていただいた記事をページ下部のリンクから参考にしてみてください!

 

まとめ

今回は身近な測定器具コンベックスについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?普段あまり意識をしないアイテムではありますが、製品によってさまざま違いがあり、現場によって使い分けが大切であるということがわかりましてね!
また、正確でない測定は大きな事故につながってしまう危険性もあるので、みなさまもこの機会にご自身のコンベックスを再確認し、必要であれば今回の記事を参考に買い換えてみてください!

監修協力:カシワバラ・コーポレーション西関東営業所 山田 彬正

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