防寒対策が重要になる冬の建設現場。最近はさまざまな防寒グッズが販売されていますが、その中でも大きな注目を集めているのがヒートウェア。ということで、今回は防寒ウェアであるヒートウェアについてご紹介いたします!
はじめに
今年の冬は例年に比べて厳しい寒さとなっていますが、しっかりとした防寒対策はできていますか?寒い環境下での作業は健康面に悪影響をおよぼすだけではなく、低体温症による作業パフォーマンスの低下などにもつながり、時に大きな事故の原因となります。
そして、防寒対策と一口に言っても、さまざまな方法がありますが、厚手の服を着込んで暖をとるのは基本中の基本ですよね。ですが、服を着込んだのに、着膨れしてしまって作業がしづらくなってしまったり、思ったよりも暖かくならなかったりなんて経験はありませんか?
今回ご紹介するヒートウェアは、そんなみなさまの冬のお悩みを解決する、ハイテク防寒ウェアです!
冬の建設現場に潜む危険“低体温症”
高所での作業や開けた屋外での作業が多い建設現場は、通常の環境に比べて寒さや暑さの影響を受けやすい環境であると言えます。そんな過酷な環境下の建設現場では、夏の暑い時期には熱中症に注意とよく聞きますが、寒い冬の建設現場においても注意しなければならないことがあります。それが低体温症です。
低体温症とは、体が冷やされ深部体温(体の内部の温度)が35℃以下になる事によって、身体機能にさまざまな異常が引き起こされる症状のことを指し、主な低体温症の症状には以下が挙げられます。
・筋肉の動きが悪くなり、全身の動きが鈍る。
・末端の感覚が鈍り、手先の細かい作業ができなくなる。
・警戒心や判断力が著しく低下する。
・排尿の回数が増えて気づかないうちに脱水症状が進行する。
どの症状をとっても、作業効率を著しく低下させるだけではなく、作業ミスや大きな事故の原因にもなりかねませんね。建設現場では、夏の熱中症ばかりが注意されがちですが、冬の低体温症も同様に注意すべきものであると言えます。夏は熱中症、冬は低体温症というように、通年で体温管理には細心の注意が必要です。
最新防寒ウェアのヒートウェアとは?
ヒートウェアは電気を利用して発熱し、身体を温めることができる作業着のことです。通常の防寒作業着が保温を目的とするのに対して、ヒートウェアは装着した発熱体にバッテリーを接続して、電気の力で暖めるという仕組みになっており、その効果には大きな違いがあります。
また、ヒートウェアは1枚羽織るだけで十分に暖かくなることから、作業現場だけではなく、アウトドアやスポーツ時など、さまざまな場面での活躍が期待できます。また、着膨れすることなく防寒できるため、タウンユースとして使用する人も増加中の高機能ウェアです。
それではヒートウェアについて詳しく見ていきましょう。
スイッチONですぐ暖まる
ほとんどのヒートウェアは、スイッチやボタンなどを押すことにより発熱体の温度調節が可能で、スイッチを入れると数秒〜1分程度ですぐに暖かくなります。3〜4段階の間で温度調整可能なモデルが多く、発熱体の温度は、おおよそ40〜50℃のものが多いようです。着用の際には、低温やけどを避けるために、素肌での着用や高い温度での長時間の使用は避けるようにしましょう。
また、ヒートテックなどの保温性の高い下着を着用すると、より効率的に身体を暖めることが期待できます。
一体型or分離型
電熱ベストに使用される発熱体は、ウェアに内蔵されている一体型と、取り外しが可能な分離型の2種類が存在します。それぞれの特徴は以下となります。
・発熱体一体型
発熱体が一体型となっているヒートウェアの多くは、ウェアの内部に電熱線を内蔵していて、バッテリーをつなげて電気の力で発熱させる仕組みになっています。つまり、アイロンやストーブなど、一般的な家電製品と同じような原理での発熱です。また、一部にはウェアの生地自体に発熱素材を織り込んで、繊維自体が発熱する仕組みになっている製品も存在します。
発熱体一体型のヒートウェアはリーズナブルなものが多いので、最初の一枚としてお試しで買ってみるのに最適かもしれません。
・発熱体分離型
発熱体とウェアが分離できるタイプの電熱ベストは、発熱体をウェアの内ポケットへ収納して使用します。発熱体分離型の特徴としては一体型のものと比べて少し価格帯の高く、専用のバッテリーが用意されているものが多いです。その代わり、高出力で長時間・高い温度で暖めることが可能です。
また、バッテリーやその他の部品の取り外しが可能なので、一体型とは違い、修理の際にパーツのみの交換を行えたり、洗濯することができます。屋内外でのハードな業務が多い建設現場では、衣服が汚れることも多いかと思いますので、本格的な導入を考えている方には、洗濯が可能なこちらのタイプがおすすめです。
シーンに合わせて使いたい!さまざまなタイプのヒートウェア
ヒートウェアには、一般的な衣類と同様にさまざまな種類の製品が存在します。基本的には、長袖のジャケット型とブルゾン型、袖無しのベスト型があります。
・ジャケット型
ヒートウェアにおいても、ブルゾン型よりも丈が長く、袖口や裾の絞りがないタイプが一般的にジャケット型として販売されています。
ジャケット型は上半身を満遍なく暖めることのできるスタンダードなタイプであり、どのような環境・条件下においても活躍が期待できます。
・ブルゾン型
ブルゾン型は裾や袖口が絞れるようになっているタイプが多く、ジャケット型に比べてより作業着感が増したタイプの上着です。
身体を動かしての作業が多い現場のみなさまには、ジャケット型よりもブルゾン型の方が動きやすいので、おすすめです。
・ベスト型
肩口や袖が存在しないベスト型は、ジャケット型に比べて面積が狭いため、暖められる範囲も狭まりますが、その分機動性や携帯性に優れているというメリットがあります。
ベスト型最大の特徴は、着回しの良さにあります。他のタイプに比べて、ベスト型は作業着の下などに着る事ができるので、環境に合わせたさまざまな使い方ができます。アウタータイプのヒートウェアも勿論便利なのですが、ベスト型のヒートウェアが最も活躍の機会が多い1着なのではないでしょうか?
まとめ
ヒートウェアについてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?ヒートウェアは1枚羽織るだけで暖を取れるという優れた機能性から、動きやすさを重視する建設現場での着用がピッタリな防寒アイテムであるということがわかりましたね。そして何よりも、しっかりとした防寒対策は低体温症の防止につながるので、健康管理だけではなく、事故防止の観点からも非常に重要です。冬の現場を健康で安全に乗り越えるためにも、ヒートウェアの導入を是非検討してみてはいかがでしょうか?
まだまだ、寒い時期は続きますが、引き続き防寒を徹底していきましょう!