KC-WITHのテーマとしても掲げている“事故ゼロ”というフレーズですが、それは現場で働く全ての人が高い安全意識を持っていないと実現できることではありません。しかし、日々の激務の中ではつい効率を優先してしまったりと、時には安全へのモチベーションを保つのが難しいこともあるのではないでしょうか。そこで、今回は安全管理のモチベーションを上げるためにカシワバラコーポレーション名古屋営業所エリアの協力会社が2022年4月より導入予定の“腕章制度”についてご紹介致します。
安全意識は評価されづらい?
これまでにKC-WITHでは、さまざまな安全対策についてご紹介してきましたが、みなさまは日々の業務にどれだけの安全意識を持って臨んでおられるでしょうか。安全意識は形のないものではありますが、事故の無い現場を目指す上で最も大切なものであると言えます。実際に建設現場で発生している事故の多くは、注意力や集中力の低下、事前の点検を確実に行わなかったためなど、各作業員の意識面での緩みが大きな原因となっています。
とは言っても、どうしても効率が優先されてしまう日々の業務の中では安全意識が薄れてしまう瞬間もあり、安全管理へのモチベーションを保つのはなかなか大変ですよね。中には、ついつい気が緩んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんなみなさまにご紹介したいのが、カシワバラ・コーポレーション名古屋エリアの協力会社を中心に4月から導入される、安全に従事貢献した方を表彰する腕章制度です!こちらの制度は現場での安全意識を高めることによって労働災害事故ゼロを目指すことを目的として作られ、非常に興味深い取り組みとなっています。それでは詳しく見ていきましょう!
建設現場での安全対策は難しい?
安全意識を持つことや安全対策を行うことは非常に重要ですが、特殊な環境下にある建設現場では、それらを徹底する事は時に難しい事でもあります。その要因はいくつもありますが、主な要素としては以下の3つが挙げられます。
1.作業内容が日々変化する
建設現場では毎日が同じ作業というわけではなく、作業環境や使用する機材、作業員の編成など多くの事象が変化していきます。そうした中で、全員が作業に合わせた柔軟な安全意識を持つことや作業員同士でその都度安全について確認し合うことが困難です。
2.多業種の専門工事会社が入場している
建設現場には一つの協力会社だけではなく、複数の協力会社が関係しているケースが多いので、他協力会社間で円滑なコミュニケーションをとることや共通の安全意識を持つことが困難です。ですが、日々状況の変化する建設現場では、情報の共有や作業員同士の垣根を越えたコミュニケーションが非常に重要です。
3.限られた期間で環境も変わる
これは1の問題点と重なる部分でもありますが、全ての建設は同じ場所や条件で同じ物をつくることのない一度きりの現場であると言えます。ですので、各建設現場では大まかな安全ガイドラインは作れるものの、それぞれの現場に適した詳細なガイドラインを作成することが困難です。そのような現場においては、作業員同士での意識の共有や管理者による適切な安全指導が必須となります。
普段は意識する事が少ないかもしれませんが、建設現場での安全管理にはこれだけの課題が挙げられます。ですが、このような問題点を知っているだけで、今後の安全管理において特に意識を向けるべき点が見えてきますね。ここからご紹介させていただく腕章制度についても、以上の点を踏まえながらご一読ください!
名古屋エリアの協力会社発!カシワバラの腕章制度とは?
カシワバラ・コーポレーション名古屋エリアの協力会社を中心に導入予定の腕章制度は、建設現場における作業員及び関係者の安全衛生活動を三段階で評価及び表彰する制度です。こちらの制度は一人一人の安全意識を高め、安全で円滑な施工を実現することを目的としています。
ブロンズ・シルバー・ゴールドの三段階評価
評価対象はカシワバラ・コーポレーション名古屋営業所の工事に従事している協力会社の正会員・準会員の技能者全員となり、各現場所長および管理者によって推薦された人物が、協力会役員会の総合的な評価後に安全衛生推進者として認定されます。
安全衛生推進者にはブロンズ・シルバー・ゴールドの三段階のランクが設けられており、ブロンズから順にランクアップしていくシステムとなっています。各ランク毎の評価基準は以下となります。
・ブロンズ・・・各現場において、安全衛生活動・気配りが出来ており、管理者との報連相によって作業間調整に努力している
・シルバー・・・ブロンズ認定から各現場において、安全衛生活動を維持し他認定者をとりまとめて活動する
(ブロンズ認定から2年以内)
・ゴールド・・・シルバー認定から全作業員の模範となる活動が出来る安全衛生活動のリーダー(シルバー認定から2年以内)
そして、認定者には認定証書と専用ワッペンを貼付けたベストを授与。加えて、シルバー認定者・ゴールド認定者には報奨金の授与も予定されているそうです。
腕章制度の目的・メリットとは?
このような腕章制度ですが、導入されることで一体どのようなメリットがあると考えられるのでしょうか?ということで、ここからは同制度が建設現場にもたらすメリットについて考えていきたいと思います。
1.安全管理に対するモチベーション向上に貢献
まず1つ目のメリットはなんと言っても、安全管理に対するモチベーションが向上するという事です。どんなことに関しても共通して言えることですが、自分の努力が評価されると、誰でも嬉しいですよね。今までは、当たり前のこととして明確に評価されることのなかった安全意識や安全管理ですが、このような評価基準や体制が整っていれば、それらを意識した日々の安全管理を行えます。
また、三段階のランクが設けられていることによって「次はシルバーランクを目指して安全管理をしよう」「自分はゴールドランクだから周りの規範となるよう行動しよう」といったように、向上心と安全意識を結びつけた安全管理や、現場全体の安全に対する個々の責任感の芽生にも繋がります。腕章制度は建設現場のゴールド免許のようなものですね。
2.受賞者が安全管理の要として活躍
安全意識や安全管理は目に見えづらいものですが、ベストという形で認定作業員が着用していることによって、それを目にした作業員が安全管理に対して気を引き締めるきっかけになります。例えるならば、運転中にパトカーを見かけた際の感覚に近いかもしれませんね。
そして、円滑なコミュニケーションや安全管理体制の構築にもつながると考えられます。前述したように、建設現場は多くの関係者が出入りしており、円滑なコミュニケーションが取りにくく、安全管理についても話しづらい環境となりがちです。ですが、目に見える形で安全管理認定者がわかれば、他社の作業員同士であっても気軽に安全管理について相談をすることができます。
また、安全管理というと上司や管理者が先導して行うことが多いですが、同制度は役職などに関係なく安全衛生推進者として活躍が可能なので、現場のさまざまな地点で安全管理の要が生まれ、隙のない安全管理体制を築くことが可能になります。
3.営業ツールとして活用
他ではあまり見かけない安全管理への取り組みですので、クライアントとの話題や営業のきっかけとして役立てることも。というのも、現場の安全管理について説明するとなると、取り組みが多岐に及び話が長くなってしまったり、想像しにくいものになってしまいがちです。しかし、腕章制度はシンプルかつキャッチーなので、現場の安全管理体制をアピールする上で非常に効果的であり、カシワバラ・コーポレーション全体の安全意識の高さもアピールできますね。
まとめ
今回はカシワバラ・コーポレーション、名古屋エリア協力会社発の新たな取り組み、腕章制度についてご紹介致しましたがいかがでしたでしょうか?安全な現場を目指す上で、最も大切な安全意識の向上やモチベーションの維持を促進するシンプルかつ効果的な新制度でしたね。導入のハードルもそこまで高くなく、営業所毎に腕章のスタイルを変えてみるなど、工夫を凝らすことが可能な制度のようにも思えますので、みなさまも安全意識向上の参考にしてみてはいかがでしょうか?