睡眠不足によって集中力や注意力が薄れると、仕事のパフォーマンスを低下させるだけではなく、事故発生につながる事もあるので、日々良質な睡眠を取ることが非常に重要です。ですが、ついつい夜更かしをしてしまったり、何だか寝つきが悪かったりと、しっかりとした睡眠を取るのって意外と難しいですよね。ということで!今回は良質な睡眠を取るためのコツや気をつけたい生活習慣についてご紹介いたします。
はじめに
みなさまは毎日しっかりとした睡眠を取れていますか?毎日ではなくても、前日遅くまで起きていてしまったために、いわゆる睡眠不足の状態で仕事をした経験がある方は多いのではないでしょうか。それ、とっても危険です!睡眠不足は思考能力や体力の低下を招くため、仕事のパフォーマンスを下げてしまうだけでなく、現場作業時の事故発生原因にもなりかねません。また、度重なる睡眠不足は大病の原因ともなります。
ですが、いざしっかりとした睡眠を取ろうと思っても、何時間寝ればいいのか、寝付きをよくするためにはどうすればいいのか、睡眠についてわからない事ってたくさんありますよね?ということで、本記事では寝不足にならないための生活習慣を伝授いたします!
そもそも、睡眠不足って何?
まず最初に、睡眠不足とはどういった状態でしょうか。睡眠不足とは、十分な睡眠がとれていないことに加えて、睡眠の質が低くなってしまっている状態を指します。一般的に6~7時間以上の睡眠が1日に必要と言われていますが、いくら睡眠時間を長く確保できていても、質の良い睡眠がとれていなければ睡眠不足でないとは言い切れません。
そして、睡眠不足において気をつけなければならないのが、”睡眠負債”。睡眠負債とは、いわば「寝不足の借金」のような状態で、慢性的な睡眠不足が続き、その負債が蓄積して心身へ支障をきたしている状態のことです。つまり睡眠不足の状態が続けば続くほど、身体のコンディションが悪化していくということになります。
では、睡眠不足になるとどのような症状が見られるのでしょうか?自分は睡眠不足ではないと思っていても、以下の症状などが見られる方は睡眠不足が疑われます。是非確認してみてください。
・疲れやすい
・ストレスを感じる
・過食気味
・些細なことでイライラする
・集中力が続かない
・注意が散漫になる
・日中に眠くなる
・頭痛や吐き気めまい
・過剰に甘いものが摂取したくなる
どうでしょう?たかが睡眠不足と思われるかもしれませんが、実際にこれだけの症状が引き起こされることがあれば、建設現場での仕事中、思考力や体力が低下して非常に危険です。また、睡眠不足は血中アルコール濃度0・05%の飲酒(日本酒1、2合)と同程度にパフォーマンスが低下するとも言われており、いかに危険な状態であるかを理解することができますね。
睡眠不足を引き起こす2つの習慣
ここまでで、睡眠不足の危険性をある程度理解していただけたかと思います。では、どのような行動が睡眠の質を下げ、心身に不調をもたらすのでしょうか?実は何気ない生活習慣の中に、その原因が隠れているのです。ということで、睡眠不足を誘発しかねない生活習慣を2つご紹介。
1.寝る前のスマホ
みなさまは眠りにつく直前まで何をしていますか?ベッドに入ってからはしばらく、スマホで動画やSNS、ゲームをしているという方も多いのではないでしょうか。残念ながら、その習慣は寝不足の大きな原因となります。
まず、スマートフォンをはじめ、パソコンやテレビ、ゲーム機器などのデジタル機器の画面から発せられるブルーライトを浴びると、脳が「今は昼」という勘違いを起こしてしまい、体内時計にズレが生じてしまいます。また、体内時計の調整を行うメラトニンの分泌も抑制されてしまうため、疲労回復が妨げられ、寝つきも悪くなるとのこと。
このようなことを避けるためにも、以下のことに気をつけましょう!
・寝る1時間前からは、スマートフォンの使用をやめる
・夜間はテレビやPCなどのデジタル機器の画面を見すぎないようにする
・ブルーライトカットのスマホ用画面シールや眼鏡などを活用してみる
・機種によってはブルーライトを調整する機能がついているので、活用してみる
・寝る1時間くらい前から部屋のLED照明をやや暗くしておく
・夜間にコンビニなどの強い照明の場所へ行くのは避ける
2.夜間のカフェイン摂取
寝る前に一息つくため、コーヒーやお茶を飲む方も多いかと思いますが、これらの飲料にはカフェインが含まれており、睡眠不足の大きな要因となります。では、なぜ寝る前のカフェイン摂取がよくないとされているのかというと、カフェインには眠気を抑制する強い覚醒効果があり、寝る前や夜間に摂取すると、眠りが浅くなる・入眠までに時間がかかってしまうためと言われています。カフェインによる睡眠不足を予防するためには、夕方から就寝時間までの間には、カフェインを極力摂取しないようにするということが大切です。
一方、カフェインはうまく日々の生活に取り入れることによって、良い効果も与えてくれます。例えば集中力の向上、代謝や血行の促進といった効果があるので、仕事前の朝や仕事中に飲むことを心がけると、非常に効果的です。また、昼寝などの短い時間の睡眠を取る際には、就寝前にカフェインを摂取したほうがいいとも言われています。というのも、カフェインの覚醒効果は約30分後から発揮されるので、限られた時間での睡眠ではカフェインによる覚醒のタイミングを起床のタイミングと合わせる事ができ、スッキリと目覚める助けになってくれるのです。
快適な睡眠のために出来ること
では、ここからは睡眠の質を向上するために役立つコツや知識をご紹介いたします。
1.生活リズムを整える
睡眠時間以上に重要なのが睡眠の質ですが、睡眠の質に最も作用するのが、生活リズムであると言われています。規則正しい生活リズムを保つためにも休日や平日に関わらず、なるべく同じリズムで生活するようにしましょう。その際に重要なことは基本的なことではありますが、夜更かしをしない、休日だからといって寝すぎない、毎日日光を浴びて適度な運動をするというような事が大切です。
睡眠に関するさまざまな情報が出回っていますが、このような当たり前のように思えることが、良質な睡眠を取る上で最も効果的な方法であることは間違いありません、みなさまも改めてご自身の生活リズムを見直してみてはいかがでしょうか?
2.睡眠を心掛けた食生活
効果的に睡眠を行うには、日々の食生活を見直す事も重要です。朝食や夕食をしっかりと取ることはもちろんのことですが、夕食に関しては、胃に食べ物が残っている状態で寝てしまうと胃腸に負担がかかって、眠りが浅くなってしまいます。そのため、夕食は眠りにつく3時間前までに済ませることを心掛けましょう。また、就寝前のアルコールや、前述したカフェインの摂取も睡眠を要因ですので、避けるようにしましょう。
意識的に摂取すると、睡眠質の向上につながる栄養素や食品を以下にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください!
・トリプトファン
セロトニンは脳をリラックスさせる「睡眠ホルモン」です。そのセロトニンを合成するトリプトファンを多く含む食材には、魚介類・鶏肉・卵・大豆製品(豆腐・納豆など)・ごまなどがあります。これらを使った食事をとることでセロトニンが生成され、睡眠を促し、睡眠の質をあげることが期待できます。
・グリシン
グリシンは脳をクールダウンし深部体温を下げる作用があります。深部体温の低下は睡眠質の向上に効果的で、より早く深い眠りに入るのを助けます。カジキマグロやエビ・ホタテなどの魚介類に多く含まれています。またグリシンを合成するセリンも効果的で、牛乳や高野豆腐、海苔を食べるとよいでしょう。
・ビタミンB1
ビタミンB1は、神経を沈静化しイライラや不安などのストレスから解放してくれるので、安眠に役立つビタミンです。また疲労回復効果もあるので、安眠と睡眠中の回復を促してくれます。特に海苔に多く含まれているので、朝食のおかずにしたり、サラダや酢の物などにはたっぷりと刻み海苔をつかいましょう。
まとめ
今回は睡眠についてご紹介しましたが、いかがでしたか?大げさではなく、睡眠で日々の生活から仕事に至るまで全てが左右されるといってもいいでしょう。ですので、みなさまには睡眠をおろそかにせず、正しい睡眠に関する知識を持っていただいた上で、日々のお仕事に臨みましょう。