テクノロジーでより安全な現場へ!大手建設会社が展開する業務効率化アプリとは?

昨今はITやAIなどのデジタル技術の発達に伴い、建設現場の業務効率化を目的としたアプリケーションが大手各社から続々と発表され、高い関心が寄せられています。本記事ではその一例を交えながら、実際にどのような取り組みがあるのかをご紹介させていただきます。

はじめに

近年は建設現場にデジタル技術を導入して、作業効率や安全性を高める動きが活発化してきています。現場で活躍されているみなさまも、建設現場のデジタル化を肌身に感じていらっしゃるのではないでしょうか?

一言にデジタル化とは言っても、ドローンなどのロボット技術やICT(情報通信技術)技術の導入など、さまざまなかたちのデジタル化がありますよね。その中でも、現在多くの企業が開発に努めているのが、業務を効率化するための現場管理アプリの開発です。数多くの業務効率化アプリがありますが、今回は大手建設会社竹中工務店が展開する業務効率化アプリについてご紹介します。

TAKENAKAの業務効率化アプリ「位置プラス®」シリーズとは?

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

竹中工務店が展開する業務効率化アプリには、人やモノの位置を探索できる「位置プラス®探」、高所作業車の予約管理を行える「高車管理」、工事の進捗管理を行える「進捗管理」の3つのアプリがあります。

それでは、竹中工務店が展開するアプリがどのような機能なのか見ていきましょう!

位置認識プラットフォーム

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

竹中工務店が展開するアプリは、独自の位置認識プラットフォームによって成り立っています。位置認識プラットフォームは、建設現場において位置の識別を行うハードウェア、人・もの・機械の識別を行うハードウェア、それらの情報を収集する情報収集デバイスから構成されています。

人やモノの判別及び位置情報の取得には、専用のアプリ「位置プラスBase」をインストールしたモバイル端末や、BLEビーコン(スマートフォンなどの機器に位置情報を送る発信機)、RFIDタグ(電波を用いて遠隔で情報の読み書きを行えるタグ)などが活用されます。

位置プラス®探

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

多くのみなさまは、建設現場で人やモノを探して歩き回った経験をお持ちではないでしょうか?人やモノが常に動いている建設現場では、それらの位置を常に把握することが非常に難しいですよね。

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

そんなお悩みを解決し、業務を効率化する為に作られたのが「位置プラス®探」です。このアプリを使えば位置認識プラットフォームで把握した人やモノの位置を、棟名や階数が一覧表示できるリストや平面図上に表示させ、さらに名前や所属会社などで検索することが可能に。また、位置認識結果を使って人がいつ・どこに・どれくらい滞在していたかを把握できるレポートを作成することもできます。

このように「位置プラス®探」は、現場の状況をリアルタイムかつ効率的に確認ができるようになるのですが、それだけではありません。取得した現場の人やモノの動きをデータ化して後から検証することができるので、無駄な動きがないか確認できたり、人が歩く導線の見直しなど、業務改善に大きく役立つ事が期待できます。また、人やモノの正確な位置の把握が可能になる事によって、事故が発生した際などには作業員の安全確保にも役立てることができそうですね。

高車管理

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

建設現場では高所作業車(高車)を利用する機会も多いかと思いますが、高車の予約管理をホワイトボードや帳簿で行っている現場も多いと聞きます。ですが、このようなアナログな方法での高車の予約管理は時間や手間がかかりますよね。

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

竹中の高車予約アプリでは、高車の予約管理をアプリ1つで行うことができます。利用方法は非常に簡単で、タブレット端末やスマートフォン、PCを通じて、使用したい高車を探して、使いたい時間にワンタップで予約をするだけとなっています。他社が予約した情報も他の端末にリアルタイムで反映されるため、昼礼前などに予約が集中しても予約かぶりの心配はありません。また、どの会社が予約したかや、現在の高車の位置まで把握することができるので、協力会社同士での利用高車の調整にも活用することができます。

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

そして、同アプリでは予約情報を基に、高車の予約率や運用状況などのデータも自動で取得することが可能なので、稼働率の低い作業車を把握して使用台数を減らすなど、管理効率を上げることが出来ます。

進捗管理

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

円滑に工事を進めていく上で、進捗状況の管理や共有は非常に重要ですが、作業をしながらの進捗状況の報告やそれらの情報の管理は非常に面倒ですよね。ですが、竹中工務店の進捗管理アプリを利用すれば、簡単に進捗状況の報告や進捗情報の処理及び管理を行うことができます。

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

同アプリでは作業員がスマートフォンやタブレットなどを通じて、いつでもどこでも進捗情報を更新・確認できます。とても簡単な操作で進捗情報の登録ができ、図のような鳥かご表のセルをタップするだけで進捗情報を更新できます。また、部屋ごとに設置された2次元バーコードシートをスマートフォンなどで読み取って進捗情報を更新することもできます。この際、作業がとばされている部屋についてはアラートが表示されるので、作業の手戻りを防止できます。

リアルタイムでの進捗状況の報告や確認が難しい建設現場において、スマートフォンなどの手元のデバイスで手軽に進捗管理を行える事によって、作業者と管理者で常に正確な情報共有が可能となり、業務の効率化が期待できますね。

画像引用元:https://www.takenaka.co.jp/

作業員によって更新された進捗情報は「鳥かご表」・「進捗図」・「進捗線」の3つの表形式で管理することが出来ます。それぞれの表形式には以下のような特徴があります。

・鳥かご表
建設現場内の作業可能な部屋(箇所)や各部屋の進捗状況の一覧表示が可能。
基本となる表形式で、この表を元に詳細な進捗情報の確認及び報告ができる。

・進捗図
開口補強など表形式では表しづらい場合に図面上で進捗情報を表示する。

・進捗線
全体の進捗度合をパーセンテージ表示する。
グラフで進捗情報が表示されるので、感覚的に進捗状況を確認することができる。
この表形式は建築主などとの進捗状況共有などで役立ちそうですね。

まとめ

今回は竹中工務店の業務を効率化するアプリについてご紹介させていただきました。このアプリ自体の利便性はもちろんですが、このような仕組みを建設会社が作っているということ自体、安全を意識した整理整頓の精神が具現化したものと言えると思います。人手不足が深刻化している建設業界だからこそ、テクノロジーの助力を現場へ持ち込むのが、これからのDXやIoTのあるべき姿ですので、このような姿勢は積極的に見習っていきたいですね!

今回ご紹介させていただいた業務効率化アプリはあくまでも一例ですが、その他にもさまざまな業務効率化アプリが各社から発表されていますので、みなさまも是非チェックしてみてくだい!

https://www.takenaka.co.jp/solution/future/ichiplus/