お世話になります、カシワバラ・コーポレーション工事管理本部です。日々の作業にご尽力いただきありがとうございます。
現場では、足場資材やその他資機材の運搬に、ユニックと称する小型のものや、数十トン吊りのものまで用途に応じて様々なスペックの移動式クレーンが使用されています。ユニックも昔は操作レバーでブームを動かしていましたが、現在は運転手の方がラジコン操作で玉掛けから積荷の上げ下ろしまで、1人で作業されているのが通常となっています。
最新のラジコンでは、吊り荷荷重の積算表示機能が装備されたものがあり、過積載の防止にも寄与しています。このようにテクノロジーの進化に伴い現場の作業状況が定量的に可視化され、より安全な現場環境の整備が進んでいます。その反面、「玉掛け」は危険な作業にもかかわらず、まだまだ作業員の経験に依存した、属人的な要素が大きいのではないでしょうか?
以前、70トンクラスの移動式クレーンを用いて足場解体作業を行っていた現場で、しばらく作業を見ていたところ、地上で若い作業員の方が、玉掛けの取り付け(バケット)と取り外し作業(足場資材)を行っていましたが、どうも不慣れな感じがしたので、「玉掛けの技能講習はもっていますか?」と確認したこところ、「もっていません」との返事に非常に驚いた記憶があります。
すぐさま職長に確認したところ、「私が特別教育をもって指導しています」との回答でしたが、どう見ても側で指導しているとは言い難い状況でした。さすがに足場上で玉掛けしている方は、技能講習修了者の方でしたが…当社の監督者に状況を伝え、即刻是正してもらいました。資格無し作業で資材が落下し、通行人がケガをされたり、もし亡くなられたらと思うと…心底ゾッとします。このような状況は極めてリスクが高く、会社としては絶対に看過できません。皆さんも再度、ご注意ください。
ユニックで足場資材を搬入する際、資材がずれ落ち、お客様の所有物を壊してしまった事象も発生しています。数年前には、吊り荷下に作業員の方が入り、吊り荷が落下し、あわや死亡事故に…という事例もありました。
ユニックは「すぐに降ろせるし積めるから」や「急いでいるから」などの理由で玉掛けが適切に行われていない(=手抜き)ことが原因となり、結果的に事故になるということも少なくありません。資材が落下すると、まさしく凶器になることを、再度認識する必要があります。
以前に比べると当該事故も少なくなった感がありますが、今一度、基本にもどった玉掛けを確実に実行いたただくよう、運転者の方を含め、周知徹底をお願いいたします。
参考サイト
危険予知クイズ(Taiyo Seiki Iron Works Co.,Ltd)
https://www.moetama.biz//quiz/
玉掛け作業の安全に係るガイドライン(社団法人日本クレーン協会)